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岩田榮吉の作品

 作品点描
  道化師たち(その1 アルルカンとポリシネル)


道化師というと「ピエロ」を思い浮かべますが、そのほかにも、一括りにできないほど出自も性格も様々な道化師たちがいます。岩田の作品にはその道化師たちの人形を描いたものが多くありますが、まず登場するのが、「アルルカン」 と「ポリシネル」です。

アルルカンもポリシネルもその出自は、16世紀中頃に北イタリアで生まれ現在もなお上演される即興演劇「コメディア・デラルテ」の登場人物に遡ります。コメディア・デラルテでは、仮面をつけた類型的ないくつかのキャラクターと、類型的ないくつかの状況が設定されており、それらをベースに最近の話題やゴシップなどが、踊りや軽業その他様々な表現をも取り入れて、即興で面白おかしく演じられます。

その中でアルルカン(Arlequin、イギリスではHarlequin ハーレクイン、イタリアではArlecchino アルレッキーノ)は、猫のマスクをつけ、赤・緑・青のひし形模様の衣装で、バトン(ステッキ)を持ち、ずる賢いが憎めない性格の軽業師・道化師です。また、ポリシネル(Polichinelle、イギリスではPunch パンチ、イタリアではPulcinella プルチネッラ)は、鷲鼻の黒いマスクをつけ、猫背あるいは太鼓腹に白い衣装で、口が悪く、軽くみられるような役割が多い道化師です。

アルルカンもポリシネルも様々にアレンジされて様々な分野に取り入れられています。例えば、アルルカンは、チャイコフスキーのバレエ《くるみ割り人形》(第2幕第12曲の6)や、チャップリンの映画《ライムライト》(劇中バレエ)に登場しています。また、ポリシネルは、ストラヴィンスキーのバレエ音楽・組曲《プルチネルラ》となり、1960年代フレンチポップスのアイドルだったフランス・ギャルのヒット曲タイトル(邦題“恋のためいき”)になるなど、ともに身近で知られた存在です。

岩田の《アルルカン》(1970年・画集No.30) と《ポリシネル》(1971年・画集No.47)には、それらの人形が登場しています。


《アルルカン》 1970年
《アルルカン》 1970年


《ポリシネル》 1971年
《ポリシネル》 1971年


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